イオンで「最高に可愛いバッグ」を見つけた妹は、こう言った:「これ買うから、今すぐお金振り込んで。どうせニートで暇でしょ」私は在宅でガッツリ働いて、月100万は稼いでるのに、家族にはただのニート扱いされた。父の遺産を相続したことが、きっかけだった。妹は毎月90万円の「必要経費」を要求し、母はその味方ばかりした。我慢の限界が来たのは、彼らが私の仕事部屋を勝手に片付け、カスタマイズに50万以上かけ…

イオンで「最高に可愛いバッグ」を見つけた妹は、こう言った:「これ買うから、今すぐお金振り込んで。どうせニートで暇でしょ」私は在宅でガッツリ働いて、月100万は稼いでるのに、家族にはただのニート扱いされた。父の遺産を相続したことが、きっかけだった。妹は毎月90万円の「必要経費」を要求し、母はその味方ばかりした。我慢の限界が来たのは、彼らが私の仕事部屋を勝手に片付け、カスタマイズに50万以上かけ...

「お姉ちゃん、今イオンで最高に可愛いバッグ見つけたんだけど」
「そう、よかったね」
「これ買うから、今すぐお金振り込んで。どうせニートで暇でしょ」
「それは絶対に必要なものなの? そうじゃないなら自分のお金で買いなさい」

これが、私の妹・ルミコとの日常だった。

ルミコは私に、買い物のたびに「必要経費」と言っては振り込みを要求した。彼女は専業主婦で、夫のトモヒロと1歳の娘ルアと一緒に、私が住む実家に居候していた。私は在宅で仕事をしているのに、彼らにとって私はただの「ニート」だった。

「今日の買い物、5万2324円かかったわ。後で必要経費として私の口座に振り込んでおいてね」

私は呆れた。「5万も何に使ったの? 」

「まずミーのバッグ。それから私の服と靴。その後レストランでお昼ご飯。帰り際にルアのおもちゃに使ったのよ」

「100歩譲ってお昼ご飯代は出すとしても、あとは完全に娯楽費でしょう」

「全部必要なものよ。は、私たちに裸で過ごせって言うの? 」

ルミコはいつもこうだ。父の遺産があるからって、私が大きい顔をしていると思っている。実際、私は父の遺産をほとんど使っていなかった。それどころか、在宅で広告運用やウェブコンサルティング、ライティング、投資運用をして、月に平均60万から100万は稼いでいた。でも、彼らには一度もそのことを話さなかった。

ルミコはさらに続けた:「お母さんは500万、私は250万ももらったでしょ。本当はもっともらえるはずだったけどね」

「弁護士に相談したから、妥当な金額だと思うけど」

「足りないわよ。もうないの」

「私はね、今まで母親としてあんたたちのために贅沢は我慢してきたの。だからね、自分へのご褒美として好きなだけ使ったのよ」

彼女の屁理屈にはうんざりしたが、私は大学の学費や制服代を出してもらった恩があるから、今回だけは払うことにした。

「分かったよ。今回だけだからね」

その日、トモヒロが帰ってきた。

「就活どう?

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「いや、全然ダメですね。今日もハローワークで相談です」

「もう50社以上受けてるんですけど、なかなか」

トモヒロは元公務員だったが、私が父の遺産を相続したのを機に退職し、「転職のチャンス」と言って、無職になっていた。彼は給料30万円以上で役職候補の求人しか受けず、当然のように書類で落とされていた。

「もう少しハードルを下げてみたらどうかな」

「役所で7年も務めたのになんでまた一から頑張らなきゃいけないんですか? 」

「それが転職だと思うけど。よかったら私がどこか紹介しようか? 」

「いや、自分で見つけたいんで。男なのに誰かのコネで入社とかダサいじゃないですか」

彼のそのプライドが、やがてすべてを壊すことになるとは、この時は知る由もなかった。

の夜、ルアが泣いて起きた。

のを見ると、ルミコがいない。

の母に聞くと、ルミコは母とトモヒロと一緒に居酒屋で夕飯だと言う。

「小さい子供を置いて、何やってるの? 」

「ママーって泣いてるから、今すぐ戻ってきて」

電話で伝えると、ルミコは逆ギレした:

「ああ、やだやだ。これだから育児の大変さを知らないこなし独身様は、こうやって追い詰められて母親はうつになるのよ」

「ねえ、本当に帰ってきて。私これからクライアントと会議なの」

「料理が来たから、ルアよろしく」

彼らが帰ってきたのは2時間後だった。の夜、ルミコからまたLINEが来た:

「今日の夜ご飯代、3万2461円。振り込みよろしく頼んだわよ」

「いい加減にしてよ。今日の買い物は全額出したんだから、居酒屋の分ぐらいは自分たちで出してください」

「お父さんの遺産、まだあるでしょ?

結構あったの知ってるんだから」

「あのさ、今うちがどのくらいお金がかかってるか分かってる? 」

「住宅はもう払い終わってるから余裕でしょ」

「そんなことない。自炊しないから食費は月30万もするし、みんなの携帯代合わせて毎月5万も払ってる」

「基本料金は4000円じゃなかったっけ? 家にWi-Fiあるのに、外出ばかりしてギガを超過して追加購入するから高くなるんだよ」

「仕方ないじゃない」

「それだけじゃない。見もしない動画のサブスクが月3万、やりもしない通信教育が月5万」

「それはルミコがルアのためにって」

「美容とか服にもお金かけすぎ。20万は使ってるよ」

「だってシミとか気になるじゃない」

「毎週のように旅行にも行くから15万もかかってるし」

「ルアにいい経験をさせてあげるためよ」

「気持ちは分かるけど、まだ1歳だし。普通の家庭はそんな頻繁に行かないから」

「じゃあ今月は家で大人しくしてればいいんでしょ」

「水道光熱費も高いんだよね。全部屋エアコンも家電もつけっぱなしで電気代6万、長風呂で追い焚きしまくるからガス代3万、洗濯物をまとめ洗いしないから水道代も3万」

「まあ、そんなわけで毎月大体90万円かかってます」

「合計額聞いてどう思う? 」

「100万円いってないの?

安く住んでるわね」

「本気で言ってるだとしたら金銭感覚を改めた方がいいよ」

その翌日、事件が起きた。

の部屋に入ると、机の上にあったキーボードが床に落ち、キーが油まみれになっていた。の周りには、子供のおやつの食べカスが散らばっている。

「ルア、私の部屋に入れたでしょ」

「だってルアが入ってみたいって言うから」

「子供のやったことだし、許してやって」

「ルアに怒りはしないけど、この部屋は仕事部屋であって遊び場じゃないから、それは親であるミコが注意するべきだよ」

「注意しても言うことを聞かないのが子供よ」

「そんなに大変なら保育園に預けて、その間にミコは働きに行けばいいじゃない」

「え、保育園に預けるのはかわいそうじゃん。親の都合で子供を振り回すわけにはいかないよ」

「いや、昨日の夜あなたたちの都合で、勝手に子供を置いて居酒屋に行ったよね」

「ああ、もう公演だから、また後で」

数日後、母が切り出した:

「たまき、ルミコからお願いがあってね」

「ああ、またお母さんに泣きついてお願いしたパターンね」

「あんた、お姉ちゃんでしょ」

「お願いって何? 」

「あんたのその部屋をどきなさい」

「は、なんで」

「ルアのために子供部屋をあげたいんですって。とても大事なことだから、譲ってあげなさい」

「いやいや、私の部屋は仕事部屋なんだから、リビングとかで我慢しなさいよ」

「クライアントとビデオ会議したりするから、リビングでは情報漏洩の心配があるから無理だよ」

「はいはい。仕事してるふりはもういいわよ」

「仮に仕事だとしても、どうせ大した責任もないくせに」

「なんで理解してくれないの? 」

「社会から逃げたあんたに、責任ある仕事が勤まるわけないでしょう」

「とにかく私は部屋をどくつもりはないから」

1週間後、私は友達とのランチから帰ってきた。

「お母さん、私の部屋は? 」

友達とのランチから帰ったら、私のものが全部なくなっていた。

「この間、子供部屋にするって言ったわよね」

「まあ、立っても片付けないから、みんなで協力して片付けました」

「パソコンはトモヒロ君にサイクルショップに持っていってもらったわ」

「売ったってこと?

「は? なら初期化しておいたから安心して」

「初期化しちゃったの? 」

「初期化しないと売れないからね」

「売ったお金は片付けの代行料としてもらうわね」

「嘘でしょ? ふざけないでよ」

「カスタマイズして50万以上したパソコンなのに」

私は激しい怒りとともに、ある恐ろしい事実に気づいた。

「お母さん、あの中にはね、今のプロジェクトの機密が全部入ってたの」

「もし期日に間に合わなかったら、違約金が発生するんだよ」

「何をそれっぽく言ってるのよ。無職のくせに」

「お母さんがしたことは窃盗だからね」

「家族なのに頭って、あんたは自分が何を言ってるか分かってるの?

「それはこっちのセリフだよ」

私は深く息を吸い、静かに言った:

「分かった。この家を出て働く」

「本当にいいのね」

「もちろんよ」

母は満足そうに笑った:

「やっとその気になってくれたのね」

「我慢しようと思ってたけど、お母さんがそこまで言うなら、仕方ないよね」

「じゃあ、家を出る準備をするよ。さようなら」

「頑張って片付けた甲斐があったわ」

5分後、ルミコが私に言った:

「子供部屋の件だけど、私に何か言うことはないの? 」

「何のこと? 」

「人の部屋を勝手に片付けて、パソコンも売って、謝罪の言葉1つもないわけ? 」

「は、むしろお姉ちゃんが謝る方だよね」

「今までずっと部屋を占領してたんだから」

「占領って何?

子供の頃からあそこは私の部屋だよ」

「納得のいくように説明してちょうだい」

「ああ、もうお姉ちゃんのそういうところ嫌い」

「トモヒロもルアもみんなあんたのことが大嫌いよ」

「もう出ていけ」

「じゃあ出ていくね」

「やっと消えるか」

「その代わり、もう援助しないからね」

「いいよ」

私は荷物をまとめ、家を出た。

「やっとトモヒロ君が就職決まったから」

母は最後にそう言って、焼肉の匂いを漂わせていた:

「焼肉はそれのお祝いでもあるんだよね」

「へえ、どこに決まったの? 」

「超大手外し系証券会社だよ」

「課長候補として採用されたんだって」

「年収飲み込みは1200万円。すごくない? 」

その言葉を最後に、私は家族のもとを離れた。

1週間後、ルミコからLINEが来た:

「お姉ちゃん、元気? 引っ越し先はどう?

「静かだし、好きな時にお風呂に入れるし。最高だよ」

「強がっちゃって。寂しくなったら帰ってきてもいいんだよ」

「帰ることは2度とないから安心して」

「それより、何の用? 」

「私たちの幸せっぷりを見せつけてやろうと思って」

「今ね、トモヒロの就職祝いで回らないお寿司を食べてるの」

「ほら、お姉ちゃんがいなくても生きていけてるでしょ」

「相変わらずそんな贅沢してるんだね」

「だって、どうせトモヒロのお給料入るし」

「じゃ、1人ぼっちの生活楽しんでね」

1ヶ月後、ルミコからまた連絡が来た:

「トモヒロ、なんか水道も電気も止められたんだけど」

「今月払ったよ」

「え、止まった? それはおかしいな」

「まさか、まだ給料振り込まれてなくて払えてないとか? 」

「あ、実はそうなんだ」

「私が直接会社に言いつけようか?

「いや、大丈夫だよ」

10分後、私はルミコから電話を受けた:

「トモヒロ、どういうこと? 会社に電話したら、そんな人はいませんって」

「嘘だったの」

「え、でもスーツ着て出勤したよね」

「あれはバイトで、今は公園のブランコに乗ってる」

「何それ? ダサすぎでしょ」

「いい加減にしてよ」

「仕方ないだろ」

「ルミコに散々馬鹿にされて、頭に来たから嘘ついたんだ」

「俺は悪くない」

「じゃあなんで先月分は払えたの? これまで買い物も自由にさせてくれたよね」

「そのお金はどこから?

「えっと、借りたんだ」

「高金利の金融会社から、近く200万円」

「絶対怪しいところじゃん」

「どうすんの? これからうちに借金取りが来るかもしれないじゃん」

「ごめんなさい」

「謝っても許さないし、もう離婚だから」

「2度と帰ってくるな」

5分後、母から電話がかかってきた:

「お母さん、大変。水道ガス電気全部止められた」

「え、じゃあ今日お風呂入れないじゃないの? 今フィットネスで汗かいてるのに」

「それだけじゃないの? トモヒロが超大手外し系証券会社で働いてるのも嘘だった」

「冗談よね」

「だって、お金は借金だってよ」

「これから怖い人がうちに来るかも」

「お母さん、どうしよう」

「こうなったら、たまきに戻ってきてもらうしかないわ」

「あの女、お父さんの遺産を1人占めしたのよ」

「何が何でも取り返さなきゃ」

5分後、トモヒロが私にLINEを送ってきた:

「たまきさん、お願いです。家に戻ってきてくれませんか?

「もう2度と戻らないって言ったよね」

「あの、本当は就職したのは嘘で、お金がなくて困ってるんです」

「だと思ったよ」

「水も電気も何もかも止められて、このままじゃ生活ができないので、助けてください」

「俺たち、家族ですよね」

「今までだって、十分助けてきたよ」

「でも俺のことは、助けてくれなかったですよね」

「仕事の1つや2つ、俺に紹介してくれても良かったじゃないですか」

「紹介しようとしたよね」

「でもそれをダサいって言って断ったのは、トモヒロ君だよ」

「それは男のプライドなんです」

「分かってくださいよ」

「うまいこと言って紹介してくれればよかったんです」

「そのくだらないプライドを捨てれば、仕事はいくらでもあるよ」

「プライド持ってなきゃ、なめられるでしょう」

「そうかもしれないね」

「私も今の仕事を始めたばかりの頃、若いからって失礼な態度を取られたり、生物を報酬なく持ち逃げされたこともあった」

「ほら見たことか、やっぱり大事なんですよ」

「それでも諦めずに頑張ってきたから、今の私があるの」

「プライドっていうのは、これまでの積み重ねだよ」

「だから今のトモヒロ君に必要なのは、プライドじゃない」

「現状を変える努力だよ」

「じゃあ、プライド捨てるんで、仕事紹介してください」

「平気で嘘をつく人に紹介できる仕事はありません」

「じゃあね、もうトモヒロ君にLINEすることはないよ」

「ですよ、たまきさん」

5分後、ルミコからLINEが来た:

「お姉ちゃん、お願い。家に戻ってきて」

「今度はルミコか」

「何の用かは分かるよ」

「ライフラインが全部止まったから助けてって話でしょ」

「分かってるなら話は早いわね」

「お父さんの遺産、まだあるでしょ? 1人で持ち逃げなんてずるいわよ」

「私たちのために残してくれたお金なんだから、早く払って」

「お父さんの遺産は、もうとっくにないよ」

「あんな湯水のように使ってたら、すぐなくなるでしょう」

「へ、じゃあどうやって払ってたの? 」

「普通に、私が働いて稼いだお金だよ」

「嘘だわ」

「パソコンで遊んでる、規制中ニートのくせに」

「前にも言ったと思うけど、私が何の仕事をしてるか、もう一度説明するね」

「まず広告運用やウェブコンサルティング、ライティング、サブで投資運用もしているの」

「へ、そんなに色々やってんの? 」

「それぞれ波はあるけど、トータルで月平均60万から100万は稼いでるよ」

「いやいや、嘘でしょ?

「嘘だと思うなら、通帳見せようか」

「本当なんだ」

「なんだ、そんなに稼いでたなら、もっと早く言ってよ」

「そうだ、子供部屋が気に入らなかったみたいでさ」

「片付けるから、また前みたいに使っていいよ」

「大丈夫」

「今の環境の方が静かだから、気に入ってるの」

「子供の鳴き声や騒ぎ声に、隣で怒鳴り散らすミコの声を、気にしなくて済むから」

「それは、仕方なくない? 」

「そうだね」

「だから、2人に対して文句を言ったことはないでしょ」

「当然よ」

「だって私は未来の宝を育ててるんだから」

「でもね、クライアントからは文句を言われたことあるよ」

「誰か盗み聞きしてるんじゃないの? 」

「そんなの私に関係ないでしょ」

「仕事が嘘だと思っていたとしてもさ、隣人に対して少しでも静かにしようって気を使おうとは思わなかった」

「普通の人は思うよ」

「あとはお風呂とキッチンが好きな時に使えるから、そっちに戻ろうとは思わないよ」

「可愛い妹の頼みが聞けないの? 全部聞いてあげたじゃない」

「昔からずっと、お姉ちゃんでしょって我慢させられて」

「いつもミコだけ、欲しいものを買ってもらってたでしょ」

「お姉ちゃんだって買ってもらってたじゃん」

「たまにね」

「でもそれも、ミコに欲しいって泣かれて、お母さんに言われて、仕方なくあげたんだよ」

「妹なんだから、仕方ないじゃん」

「ミコはもう妹じゃない」

「ルアの母親でしょ」

「これからは、ミコが子供に与える側なんだよ」

「何よ、子供いないからって、偉そうに」

「そうそう」

「パソコンを勝手に処分した件、弁護士に相談してあります」

「は、何を相談することがあるの?

「まず、デスクトップ一式の弁償25万」

「納期が遅れたことによる損害が20万」

「データ復旧費用と再構築コストが5万円」

「合計50万円をミコに請求します」

「そんなお金払えるわけないでしょ」

「家族なんだから、免除してよ」

「家族ね」

「家族なら、私の仕事を、うん、私の人生の邪魔をしないで欲しかった」

「これからはもう邪魔しないわ」

「だから、可愛い妹の頼みを聞いて、お姉ちゃん」

「あなたはもう私の妹じゃないから、何もしてあげません」

「これからは、欲しいものがあれば、自分で掴み取りなさい」

「さようなら、ニートさん」

5分後、母から電話がかかってきた:

「ミコから聞いたわ」

「本当にもう戻ってこないの? 」

「うん」

「そう」

「残念だけど」

「あんたがそう決めたなら、仕方ないわ」

「ねえ、たまき」

「私ね、あんたが生まれてきた時、本当に嬉しかったのよ」

「もう、そんな臭い芝居には騙されないよ」

「お母さんは、母親であることを利用して、私を利用してただけでしょう」

「そんなことないわよ」

「今までどれだけあなたに尽くしてあげたと思ってるの? 」

「具体的に、何をしてくれたっけ? 」

「ちゃんと大学まで出してあげたでしょう」

「ミコは全額出してもらって、私は奨学金だったけどね」

「3食しっかりご飯を出したじゃない」

「いつもミコのリクエストばかりで、私の好きなご飯を出してもらえたことはなかったよ」

「お小遣いだってちゃんと渡してあげたでしょ」

「いつもミコの方が多かったし、足りなかった時も、ミコにだけその都度あげてたよね」

「でもあなたはバイトしてたじゃない」

「そのお金も食費として取れたけどね」

「ああ、もうああ言えばこう言う」

「そんなに文句があるなら、帰ってこなきゃよかったのに」

「そうするつもりだったよ」

「でも、遺言だったから」

「家族を託せるのはしっかり者のたまきだけだからって、遺言書に書いてあったから、我慢してたんだよ」

「え、お父さんがそんなことを」

「お父さんの遺言書がなかったら、とっくに家を出てた」

「あと、お母さんが私を愛してくれるかもって、そんな淡い期待もあったんだよ、たまき」

「でも気づいたんだ」

「お母さんにとって、家族は都合のいいものなんだって」

「私のことなんて、本当は可愛くなかったんでしょ」

「可愛い方を可愛がって、何が悪いのよ」

「顔が可愛くて、愛嬌があって、みんなからも愛される」

「あんたは、寝癖で何を考えてるか分からない」

「どっちを可愛がるかは、一目瞭然じゃない」

「じゃあ、これからは可愛いミコになんとかしてもらって」

「でも、それでも私はあんたを愛していたわ」

「子供は親に孝行するもの」

「今がその時よ」

「私にとっての家族は、お父さんだけだよ」

「お父さんは、私たち姉妹を比べることなく愛してくれた」

「いいことをした時は、ちゃんと褒めてくれた」

「私だって、そうしてたじゃない」

「何が違うのよ」

「今までのことをよく思い返してみたら、分かるんじゃない?

「お母さんもミコも、みんな他人」

「他人を助ける義理はないです」

「血は繋がってるじゃない」

「血なんかよりも、もっと大事な繋がりがあるでしょ」

「ごめんなさい」

「お母さんが悪かったわ」

「これからはあなたを1番に愛するから」

「もう遅いよ」

「じゃあね、寄生中さんたち」

「同じ虫同士、身を寄せ合って生きていきなよ」

その後、ルミコと母は、トモヒロからの借金の取立てに追われることになった。

ルミコはパートを始めたが、そこで出会った店長と関係を持ち、相手が妻子持ちだと発覚して慰謝料を請求された。

一家は困窮し、ルミコは母にルアを預けてパートに勤しんだが、長年専業主婦だったため失敗が続き、解雇された。

母は家を売り、2人で薄暗いアパートに移り住んだ。

母はルミコを甘やかす余裕がなくなり、2人は毎日喧嘩するようになった。

初めから、母の愛なんて、その程度だったのだ。

私はといえば、たまたまSNSで里親募集の犬を見かけ、保護施設から犬を譲渡してもらい、飼うことにした。

散歩やドッグランに連れていくうちに、いろんな人々との繋がりが生まれた。

久しぶりに、人の温かさを知ることができた。

犬から与えられる無償の愛、人の温かさ、無条件に自分を愛してもらえる幸せ。

それを噛みしめながら、私は新たな人生を歩んでいこうと思う。

本当の家族は、血の繋がりではなく、互いを大切にしようとする気持ちの中にあるのだと、この出会いが教えてくれたから。