高級寿司店での義母の内定祝いの席。出てきたのは私の前の小さな皿にだけ、ガリだけだった。私が「どうしてですか?」と尋ねると、義母は顔も上げずにこう言った。「あんたは部外者よ。最初からあんたのことなんて好きでも何でもなかったんだから。」夫はまだ来ていない。美重は笑顔で寿司を頬張り、義父は黙ったまま。私はその場で夫のための義母の嘘と、同じテーブルに座る義妹が会社で作ろうとしている不正の話を聞かされ…

高級寿司店での義母の内定祝いの席。出てきたのは私の前の小さな皿にだけ、ガリだけだった。私が「どうしてですか?」と尋ねると、義母は顔も上げずにこう言った。「あんたは部外者よ。最初からあんたのことなんて好きでも何でもなかったんだから。」夫はまだ来ていない。美重は笑顔で寿司を頬張り、義父は黙ったまま。私はその場で夫のための義母の嘘と、同じテーブルに座る義妹が会社で作ろうとしている不正の話を聞かされ...

「お母さん、どうして私にこんな嫌がらせをするんですか?」
「あら、何よ。席を外したと思ったらLINEなんかで。言いたいことがあるなら面と向かって言いなさいよ。そんなことしたらお店に迷惑がかかるでしょ。」
「だからLINEで伝えているんです。どうして私にはガリしか食べさせてくれないんですか?」

私は結婚して3年になる。夫の鉄郎の母、美重の母でもある義母は、今日、美重の内定祝いのために高級寿司店を予約した。鉄郎は仕事で遅れると言い、私が先に店に来ていた。

「何?もしかして寿司が食べたいの?」
「せっかく高級なお寿司屋さんに来たんですから、食べたいですよ。でもそれよりも、この扱いの方が気になります。」

義母は冷たい目で私を見た。

「今日は美重の内定祝いよ。私はこういう会をとても大事にしているの。美重は有名企業から内定をもらえたんだから、しっかりお祝いしたいわ。」
「だからこそ、いいお店で家族水入らずで過ごしたいのよ。」

「その会に来たのは鉄郎じゃなくて私だった。鉄郎は仕事で少し遅れると伝えたはずです。」
「だとしても、部外者がいるのはすごく嫌なのよ。美重へのお祝いにかこつけて、高級なお寿司を食べようなんて、いじ汚いにもほどがあるわ。」
「そんな気持ちはありません。お寿司を楽しみに来ましたけど、それよりも美重ちゃんのお祝いをしたかったんです。来年の春から、私もちゃんと同じ会社で働けるなんて、とても嬉しいですから。」

「随分と自慢げに言ってるけど。あんたは転職組でしょ。新卒入社の美重と一緒にしないで。」
「どちらが偉いとか、そんなことはないですよ。」
「どんな手を使って転職したか知らないけど、これ以上うちででかい顔はさせませんからね。とにかく、部外者のあんたには寿司は食べさせないから。」

「私のことを部外者呼ばわりするのはやめてください。」
「私の中であんたは部外者なのよ。それを受け入れなさい。」
「どうしてですか?結婚した最初の頃は、仲良くやれていたじゃないですか。」
「うるさい。最初からあんたのことなんて、好きでも何でもなかったのよ。席に戻るのは好きにしていいけど、あなたにはガリだけね。他人に寿司はなしよ。」

私は信じられなかった。同じテーブルに座り、美重たちには次々と寿司が運ばれてくる。私の前には、小さなガリの皿だけ。

「そんなのひどいです。私はみんなと家族になれて、とても嬉しかったのに。美重ちゃんにだって、先輩として色々教えたいと思っていました。」
「これは約束しなさい。美重には絶対に近づかないこと。あんたが親族だってバレたら、美重のキャリアに傷がつきかねないわ。」
「私のことを何だと思っているんですか?」
「転職組なんて、そういう立場なのよ。部外者のお母さんが、うちの会社の何を知っているんですか?」
「黙りなさい。とにかく約束よ。」

その時、鉄郎からLINEが来た。
「ごめん、もう少し仕事で遅れそうなんだ。」
「そうなんだ。大変だね。」
「ちょっとミスが発覚して、その対応をみんなでしてるんだよ。終わったらすぐにそっちに行くから、母さんたちに言っておいてくれるか。」
「私じゃなくて、お母さんに直接LINEした方がいいと思うよ。私の話は聞いてくれないと思うから。」
「え?なんで?なんかあったのか?」
「お母さんが私のことを部外者って呼ぶの。それで、私にはガリだけ食べさせて。」
「部外者?なんでそんな嫌がらせを母さんがするんだ?なんか喧嘩とかした?」
「してないよ。別々に暮らしてるから、そんなに接する機会もないしね。確かにこの間お正月に会った時は冷たくなったなとは思ってたけど、どうしてそうなったのか理由は全くわからないわ。」
「でも、カナと美重は同じ会社で務めるんだから、仲良くしておいた方がいいに決まってるだろう。会社でも絶対に口聞くなって。」
「あの人は本当によくわからないな。父さんは?なんで止めないんだよ。」
「なんかみんな嫌な感じなんだよね。でも、美重に聞いてみたら何か分かるかもしれない。」
「そうか。じゃあ、なるべく早く仕事を切り上げて俺もそっちに合流するから。辛い思いさせてごめんな。」

私は美重にLINEを送った。
「美重ちゃん、お母さんが私に対してすごく怒ってるみたいなの。」
「え、そうですか?そんなの分かりませんけど。」
「嘘よ。ずっと私だけガリしか食べさせてもらってないんだから。どうして怒ってるのか分かる?」
「いや、さすがにそれは分かりませんよ。お姉さんが何か嫌なことをしたんじゃないですか?」
「何の覚えもないわ。いきなり部外者だって言われて驚いてるのよ。」
「でも、部外者は部外者じゃないですか?別に何も変なことは言ってませんよね。私は家族でありたいと思ってるけど、それはさすがにキモすぎますって。兄と結婚したからって家族に入れるなんて、そんなの意味わからないですよ。いくらお姉さんに家族がいないからって、そんな甘えられても困ります。」

「親を早くになくしていることを、そんな風に言うのはやめて。今でも辛い気持ちがあるのよ。」
「私は事実を言ってるだけですって。家族みたいにすり寄られても、こっちは困ります。それって結局、自分の利益のためにやってるんでしょ?」
「利益?どういうこと?」
「私が新卒入社してエリート街道を突っ走るから、そのおこぼれに預かっていい思いをしたいってことよね。」
「仕事を頑張って出世するのは素晴らしいことだと思うわ。でも、出世するのが確定してるみたいに言うのは間違ってると思う。」
「そりゃ転職組のあなたはそうでしょうけど、新卒入社の私はエリートって決まってるのよ。お母さんに変なことを吹き込んだのはあなたね。」
「変なことじゃないの。ネットに実際そうやって書かれてあったんだから。」
「そんなのを信じて。でも、うちって大手なのに、あなたのような中途の人間を採用してるなんておかしいわ。全員新卒のみにするべきだと思う。」
「上の人の考えだから、あなたに口出しする権限はないと思うわよ。」
「だったら、私が偉くなったら転職組は全員首にする。」
「やれるもんならやってみればいいわ。適当に言ってるんでしょ?」
「もちろん。残念だけど、実際にもう動いてるんだから。」

「どういうこと?」
「同じ大学の仲間とか、同学年の知り合いたちをたくさん採用してもらうようにするの。そしたら私たちは大きな派閥になって動くことができるわ。大きな派閥を作って会社を動かすのよ。」
「あなたの仲間が多く採用される見込みはあるの?」
「大丈夫よ。後期試験がまだ残ってるから。まだ就活してる子たちには、私が受けた採用試験の内容をこと細かに伝えてある。」
「なんですって?あなた、そんなことを。」
「そうしたら傾向と対策を狙えるでしょ。他の奴らよりは有利に試験を進められるはずよ。」
「そんなこと、許されるわけないでしょ。」
「そうなったら真っ先にあなたのことを首にしてやる。他人のくせに家族ぶられて、うざかったのよね。首になるのが嫌なら、私たちの前から消えてよ。あんたに家族ぶられるの、マジでうざかったんだから。」

私はその場を離れ、トイレで必死に息を整えた。彼女がやろうとしていることは、ただの出世欲じゃない。会社を私物化するための、明確な不正だ。

しばらくして席に戻ると、義母が睨んできた。
「ちょっと、あんたいつまでここにいるつもり?ガリも十分食べ終えたでしょう。だったらさっさと帰りなさいよ。面と向かって追い出される前に、私の忠告を聞きなさい。」
「お母さん、今はそれどころじゃありません。美重ちゃんがとんでもないことをやっていました。今すぐ手を打たないとまずいです。」
「はあ?わけのわからないことを言うんじゃない。そうやって私たちに取り入ろうとしても無理よ。あんたの話なんて聞くだけ時間の無駄。」
「そんなに私が邪魔ですか?」
「ええ。そうね。本当に鬱陶しい存在だわ。鉄郎も、どうしてこんな人が良かったのかしら。性格最悪のどうしようもない女なのにね。」
「どうしてそう思ったのか、説明してください。悪いところがあったら謝りますから。」
「そんなことしても意味ないわ。あんたの存在自体が私のストレスだから。なんなら、鉄郎とも別れてほしいくらいよ。」
「私たちの関係まで口出しされるんですか?私は鉄郎の親よ。そんなの当たり前じゃない。」
「わかりました。もういいです。」
「それじゃあ、さっさと私たちの目の前から消えて。あんたがいなくなってからが、内定祝いの本番だから。」
「じゃあ、美重ちゃんの内定は取り消しということで。」
「お前にできるか?」
「確かに私にはできませんよ。でも…」
「あんた何を言ってるの?もう気持ち悪いわ。いいからさっさとここから出ていって。それと、美重には絶対に関わらないようにしてね。」

一週間後、私のスマホが震えた。美重からだった。

「ちょっと、これはどういうことよ?なんで私が内定取り消しなんてされないといけないの?」
「どうしてそんなことを私に聞くの?私は企画部の人間よ。人事に聞くのが普通じゃない?」
「聞いたけど、詳しい内容は言えないとしか帰ってこないの。」
「あら、そう。それじゃあ、自分の胸に聞いてみたら?」
「内定取り消しされるような覚えはない。そんなのあるわけないでしょ。」
「やっぱり、何の罪悪感もなかったんだね。」
「どういうこと?」
「あなたが内定を取り消されたのは、試験情報の漏洩をしたからよ。」
「は?あれってダメなことだったの?」
「ダメに決まってるでしょう。試験情報は公開しないって基本ルールよ。採用試験を受ける前にその説明はされているって、人事の人は話していたわ。」
「てことは、これを告げ口したのはあんたね。」
「そうね。」
「なんでこんなことをするのよ。私のことを貶めるような真似していいと思ってるの?」
「だって、不正は見逃しておけないわ。」
「黙れ。家族だったら庇おうとかするものよ。」
「私たちは家族じゃないでしょ。赤の他人でしょ。」
「いや、それは…」
「それなら、私は会社の利益を守る方を選ぶわ。だって会社の人たちは仲間だもの。赤の他人と仲間なら、どっちを守るかは聞かなくても分かるわよね。」
「守るって、そんな大げさな。」
「あなたのやったことで、試験が平等に行われない可能性があるの。その結果、本来合格するはずだった優秀な人材を我が社が取れない可能性がある。これは会社にとって大きな損失よ。それを防ぐために、人事部の人に全てを伝えたわ。そのおかげで採用試験の内容を大きく変えることになったの。本当に多くの人に迷惑をかけたのよ。」
「確かに、試験の内容が全然違ったってクレームを言われたわ。」
「そもそも、不正な方法で採用を勝ち取ろうなんて人間は、うちの会社には不要よ。」
「どの口が言ってるのよ。何で、あんたみたいなしょうもない中小企業の人間が、どうして大手に転職できるのよ。あんたこそ不正なやり方をしたんでしょう。」
「そんなことするわけないでしょう。」
「どうだかね。確実に言えるのは、あなたのやったことは許されることじゃないってこと。だからあなたは内定が取り消されたのよ。これ以上のクレームは受け付けられないから、さっさと諦めて次の就職先を見つけたら。」
「今募集してるところなんて全部しょうもない企業。大手はどこも採用は終わってるんだから。」
「だとしても、うちは諦めるしかないからね。」
「本当にあんたは最低のことしかしないわね。」
「それ、自分に向けた発言よね。」

30分後、鉄郎の元に義母から電話が殺到したようだった。鉄郎は電話を切り、深いため息をついた。

「鉄郎。あんたの嫁がとんでもないことをしてくれたわ。」
「何がだよ。」
「美重が泣いて、内定を取り消されたのよ。それもこれも全て、あんたの嫁がやったことなの。」
「俺だって詳しい話は聞いてるよ。悪いのは全部、美重だから。カナを攻めるのは筋違いもいいところだよ。」
「あんた、まさか嫁の味方をするつもりなの?」
「今回の件は、どう考えてもそうだろ。美重のことを擁護できないって。社会人としてあるまじきことをやったんだからな。母さんも親なら、俺たちに文句言うんじゃなくて、美重のことを怒るべきだよ。」
「どうしてそんな冷たいことを言うのよ。あの女は自分の立場を守るために美重を排除したのよ。」
「どういうことだよ。」
「美重が会社に入ったら、家族内で言えなくなるでしょ。大手に入っていい思いをすることができなくなるのよ。だからあの女は美重を陥れるようなことをしたのよ。」
「くだらない。そんなわけないだろ。カナはそんなことを考えるような奴じゃない。」
「あんたは恥ずかしくないの?自分よりも嫁が偉い立場になってるのよ。屈辱だと思ってないの?」
「俺はカナのことを誇らしく思ってるよ。仕事ぶりが認められて、今の会社にヘッドハンティングされたんだ。それだけ優秀な人が自分の奥さんだってことが、何よりもの自慢だよ。」
「ヘッドハンティングされたの?」
「そうだよ。だから今の会社で働けてるんだ。普通に中途採用を受けても難しいよ。枠自体もほとんどないって聞いてるしね。ちなみに、仕事でも今は責任あるポジションを任されるようになったみたいだ。」
「新卒入社でもないのに。」
「それは美重の思い違いだよ。どんな入り方をしても、社内では実力のある人が出世していくんだ。そしてカナには、その実力があるんだよ。」
「そうだったの?」
「それじゃあ、これで話は終わりだろう。悪いけど、もう俺たちに関わらないでくれるか?この連絡先もブロックさせてもらうからな。」
「はあ?なんでそんなことをするのよ。」
「あんたはカナのことを他人呼ばわりしただろう。それで内定祝いでガリだけしか食わせなかった。」
「それが何よ。」
「俺はカナの夫だから。カナの他人ってことは、俺にとっても他人ってことだよ。」
「ちょっと待ちなさいよ。どうしてそんなことを言うの?私たちは家族のはずよ。」
「俺にとっては、カナこそが大事な家族だよ。その家族をないがしろにする奴は、家族だなんて思わない。俺はもうあんたたちと絶縁する。」
「そんな…考え直してよ。私がカナさんに厳しくしていたのは、あなたのメンツを潰されたからよ。私はあくまであなたのためを思って厳しくしていたの。」
「そんなものが嬉しいわけあるか?もし本当にそう思ってるなら、カナに負けないように仕事を頑張れって俺に言えよ。なんでカナの足を引っ張るような真似をするんだ。その時点で、あんたは間違ってるんだよ。」
「でも絶縁なんて…」
「悪いが、これはもう決めたことだから。あんたたちとはもう親子でも何でもない。二度と俺たちの前に現れないでくれ。」

鉄郎はそう言い切った。私は隣で聞いていて、涙が止まらなかった。まさか夫がここまで私の味方をしてくれるとは思っていなかった。

二週間後、私は美重にLINEを送った。

「美重ちゃん、久しぶりね。」
「何よ?ブロックしてたんじゃないの?」
「どうしても話しておきたいことがあって、解除したの。近くで話してくれる?」
「こっちも色々と忙しいのよ。就活はうまくいってるかしら?」
「うるさい。あんたには関係ないでしょ。それじゃあ本題に入りましょう。」
「何よ?」
「あなたのことを、名誉毀損で訴えることにしたから。」
「はあ?何それ?」
「あなた、私に関しての嘘をSNSを使って拡散したでしょう。」
「どういうことよ。」
「知らばっくれないで。私の知り合いから教えてもらったんだけど、私のことを言ってるアカウントがあったのよ。そこには、私が中途採用試験に関して体を使って採用を勝ち取ったって書いてあったわ。それで今大手で働けてるってね。すぐにこのことを会社に報告したら、会社が動いてくれて、開示請求をしてくれたのよ。それで、あなたのアカウントだってことが分かった。」
「だから私を訴えるっていうのね。」
「そうよ。当たり前でしょ。」
「でも私は間違ったことは言ってないわ。だってあんたみたいな奴が大手に中途採用されるなんて変だもの。大した大学も出てないくせに変よ。」
「私はヘッドハンティングされたの。」
「それが体を使ったってことでしょ?」
「違うわよ。私はとある会社とのコンペで企画を提出したの。それを今の会社の人が高く評価してくれて、うちで働かないかって言ってくれたのよ。」
「そんなの私は知らないわ。」
「知らないから嘘をついてもいいって。あなたって本当に子供みたいな性格してるわね。そうやって言われると、私が今までやってきたことを全て否定されたようで、本当に気分が悪いの。自分がやれることをやった結果、今があるのよ。ずるいことしか思いつかないようなあなたには、この気持ちは分からないかもしれないけどね。」
「水臭いと言ってくれるじゃない。」
「これが私の正直な気持ちよ。」
「あそ。別に好きにしたら。名誉毀損でも何でも、訴えたらいい。」
「慰謝料も請求させてもらうからね。」
「どうぞ。」
「それと、うちの会社もあなたのことを訴えるって言ってるから。」
「は?会社が?」
「そうよ。だってあなたのSNSのせいで、うちの会社の信用が損なわれたわ。その分の損害賠償請求をするって言ってるから。言っておくけど、こっちの額は私の請求とは桁が違うからね。大手企業として被った損害は、すごく大きいものだから。」
「ちょっと待ってよ。そんなの無理に決まってるわ。」
「無理かどうかなんて関係ない。大人なんだから、やったことの責任は取らないとだめよ。ちょっとそこは、お姉さんがなんとか言って止めてよ。私が反省してるからって伝えて。」
「いやよ。そんなこと私がするわけないでしょ。」
「お願いよ。妹の私を助けて。」
「家族ぶるのはやめてよね。これからはあなたなりのエリート道を突っ走りなさい。険しく荒れた道だと思うけど、頑張ってね。」

その後、美重は多額の損害賠償請求と慰謝料請求をされた。訴えられたことへのショックから満足に就活もできずに新卒時期を逃してしまい、就職先が見つからず、今はアルバイトを掛け持ちしているらしい。なんとか就職先を見つけようと大学時代の仲間たちのコネを使おうとしているそうだが、誰からも相手にされていないとのこと。派閥を組んで会社で幅を利かせようとか言っていたけど、結局は大した絆もない関係性だったみたいだ。

義母たちも、美重の支払いを支えないといけない状況で生活がとても苦しくなってしまったそうだ。今ではスーパーのお寿司すら手が届かなくなってしまったと聞いている。高級寿司店で食べた時の味を、一生忘れないようにしないとだめね。

一方、私は鉄郎と幸せな生活を送っている。会社では順調に成果を上げて、周りからも頼られるような存在になれている。美重の件でも会社の上の人たちが心のケアに気を使ってくれたので、本当にこの会社に来て良かったなと再認識した。これからもこの会社に貢献できるように頑張っていく。

あと、今度結婚5周年を迎えるので、この間行った高級寿司店に行こうかなと鉄郎と計画している。あの時ガリだけでもすごく美味しかったので、お寿司はどれだけ美味しいのか、今から楽しみだ。

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