「あなた、隠し子がいるんでしょ?」——夫にそう問い詰めた瞬間、彼の顔色が変わった。きっかけは義母からの一本のLINE。「子供を毎日預けるなんて非常識すぎるわ」という怒りは、なぜか私に向けられていた。でも私のお腹の子はまだ生まれてすらいない。2歳児の世話をしているのは義母なのに、なぜ私が責められるのか。夫も義母も何かを隠しているのは明らかだった。私はアメリカ人の探偵の友人に調査を頼んだ。そして…

「あなた、隠し子がいるんでしょ?」——夫にそう問い詰めた瞬間、彼の顔色が変わった。きっかけは義母からの一本のLINE。「子供を毎日預けるなんて非常識すぎるわ」という怒りは、なぜか私に向けられていた。でも私のお腹の子はまだ生まれてすらいない。2歳児の世話をしているのは義母なのに、なぜ私が責められるのか。夫も義母も何かを隠しているのは明らかだった。私はアメリカ人の探偵の友人に調査を頼んだ。そして...

「お母さん、ずっと何を言っているのか分からないんですけど…2歳って何ですか?子供はまだお腹の中ですが。」

え、何が起こったの?一瞬、頭が真っ白になった。義母からの突然のLINE。そこにはこう書いてあった。「子供を毎日預けるなんて非常識すぎるわよ。私だって60歳超えてるのに、動き回る2歳児の世話がきついことくらい分かるでしょ。うちは託児所じゃない。今すぐ引き取りに来なさい。」

一瞬、何かの間違いかと思った。だって、私のお腹の子はまだ生まれてもいない。なのに、義母は「2歳児を預かっている」と言い、私に「引き取りに来い」と怒っている。

思わず「ドッキリでした!」と返信しそうになったけど、そんな冗談が通じる相手じゃないことは分かっていた。私は「2歳って何ですか?」と返すのが精一杯だった。

その後、話を聞くと、義母は近所の若奥さんの子を預かっているらしい。「もうしょっちゅう預けられて困ってるの。ご近所付き合いも大変なのよ」と愚痴る義母。私は「お母さんたら人が良すぎるから」と話を合わせて、その場は終わらせた。

でも、心の中では引っかかっていた。義母は私に「預けるな」と怒った。なのに、実際に預かっているのは近所の子。一体、誰に向かってあのLINEを送ったのか。私には子供がいないのに。

「マイク、ちょっと話を聞いてくれる?」

マイクは、親の遺産で日本全国を旅しながら探偵業をしているアメリカ人の友達だ。私がバーで困っていた時に助けてもらってから、何かと頼りにしている。

「義母から5発のLINEが来た。2歳児を預かってるんだって、毎回預けんじゃないわよって切れてきたの。私に。まだ産んでないのに。」

「おかしいじゃないか。」

「そう。だから調べてほしいの。その子が誰の子か。」

マイクは「隠し事だね」と言って、調査を引き受けてくれた。翌日にはもう連絡が来た。

「不倫相手の子だよ。2歳児の母親は、都内在住23歳の売れないキャバ嬢、歩美って女。」

「は?結婚して2年でしょ?なのに2歳の子がいるの?」

「そういうこと。妊娠期間を考えたら、3年近く前だよね。」

つまり、私と夫の武人との結婚式の頃、彼はすでに他の女性に子供を産ませていたってこと?しかも、義母はその事実を知りながら、息子の不倫を隠して孫の面倒を見ていた。あのLINEは、私にではなく、あのキャバ嬢に送るはずだったものを間違えて送ってしまったらしい。

裏切りが判明した時、私は怒りで震えた。悔しくて、悔しくて仕方なかった。お腹の子のために、私は強くならなくちゃいけないのに。

「どうする?」マイクが聞く。

「徹底的にやる。髪の毛一本残さず叩き潰す。」

その日のうちに、私は夫を呼び出して問い詰めた。

「あの2歳の子、あなたの子でしょう?」

「何言ってんだよ。親戚の子だよ。」

「お母さんは近所の子だって言ってたけど?嘘ついても無駄よ。マイクが全部調べてくれたから。」

「誰だそれ?」

「アメリカ人の友達。あなたより100万倍信頼できる人。」

夫は最初こそ否定していたけど、証拠を突きつけられると、最終的には認めた。歩美との間に子供ができて、義母に預けていること。歩美は産後も夜遊びがやめられず、今はホストにハマって子供をほったらかしにしていること。

「じゃあ、あゆみを見つけ出して引き取らせるよ。」

「何を無責任なこと言ってるの?あなたの子供でもあるんでしょ?」

「そうだけど、俺は産むなって言ったんだ。」

この言葉を聞いた瞬間、全てが終わった。私はもう、この男とはやっていけない。

「私も出来心で離婚するわ。」

「え?待って。なんでだよ。」

「このまま楽しく暮らせるわけないでしょ。隠し子の存在を知りながら、脳天気にあなたと生きていくことなんてできない。」

「2人とも育てるから。みんなで仲良く暮らそう。」

「私は無理。あなたにできる唯一のことは、養育費を払うことだけよ。」

「慰謝料と養育費の請求書だけ送っておくわ。2度と私に連絡しないで。名前も呼ばないで。」

夫は「はるか、話し合おう」と懇願したけど、私は聞く耳を持たなかった。電話を切った後、私は泣いた。お腹の子のため、私は強くならなきゃいけないのに、涙が止まらなかった。

数分後、マイクに電話した。

「私、離婚することになったわ。」

「わお、すごいじゃないか。産む前からシングルマザー確定。最高だよ。ハッピーだね。」

「一応落ち込んでるんだけど。」

「大丈夫だよ。シングルでも育てる覚悟を持ってる人は誰よりも強く、そして美しくなれるんだ。はるかは誰よりもベイビーを愛してるだろ?」

「もちろんよ。この子のためなら私は何でもできる。」

「だったら大丈夫。困ったらすぐに連絡しろ。マイク・エージェンツは全国どこにでもいる。」

彼の言葉で、少しだけ前を向ける気がした。でも、マイクはこう言った。

「これでおしまいにするつもり?」

「え?これで終わりでしょ?」

「甘いね。日本人は本当に爪が甘い。ここからがマイクの見せ場だよ。」

「何する気?」

「黙って見てな。地獄の始まりだ。」

数日後、不倫相手への第一弾の攻撃が始まった。

「ホストクラブで公開処刑作戦を決行したよ。」

マイクは、歩美が通っているホストクラブにエージェント2人を送り込んだ。歩美の隣の席で、わざと大きな声で噂話をさせたんだ。

「あゆみって売れないキャバ嬢が、我が子を預けてホスト遊びしてるんだって。不倫相手の親に面倒見させてるらしいよ。」

これを聞いた担当ホストが食いついた。そのホストは、幼少期に母親に捨てられて苦労していたんだ。歩美は言い訳をしたけど、エージェントが「みおちゃん可哀そうに」と援護射撃。店内はカオスになって、歩美は店から放り出されたらしい。

翌日は、夫の職場を攻めた。

「会社近くの定食屋で、地獄の噂話作戦を仕掛けた。社員が集まる店で大声で話すんだ。『妊娠中の奥さんを裏切ってるクズがいる。不倫相手に隠し子を産ませて、実家に預けてるらしい』って。」

「それでも武人って断定できるの?」

「仕上げのキーワードを投入した。『そいつ、カツフライ定食のタルタル抜きを頼むんだよ』って。あの人、マヨネーズ嫌いなの。」

想像しただけで笑えるわ。店内にいた同僚たちが一斉に彼の皿を見て、夫はカツフライを口に入れたままフリーズしてたらしい。噂は一瞬で会社中に広がった。

そして、義母にも攻撃を仕掛けた。行きつけの美容院にエージェントを派遣して、客として潜り込ませた。隣の客と美容師の会話は、聞く気がなくても耳に入ってくる。エージェントが「私の知り合いが、不倫相手に子供を産ませて母親に面倒見させてるらしいんですよ」と言った。義母は、濡れた頭のまま逃げ出すように美容院を出たらしい。もう2度とあそこには行けないわね。

「全ミッション完了だよ。」マイクが言った。

「本当にありがとう。思ってた100倍スカッとした。これで私も前を向いて歩き出せるわ。」

数日後、実家の義母のもとに弁護士が来た。

「本当に離婚するのか?」

「それ以外の選択肢はないわ。」

「分かった。ただ慰謝料は払わないぞ。」

「あれはあなたが嫌がらせしたからだろう。会社の近くで飯を食って、変な噂を流したんだろ。」

「知らないわ。マイクは今京都にいるもの。」

「じゃあ、そのマイクってやつがやったんだ。」

「マイクは日本語が苦手だから、そんなことできないわ。」

夫は、歩美が結局戻ってきたけど、子供を連れて実家に帰ったこと、義母が近所の噂で引きこもって寝込んでいることを愚痴った。

「孫を失ったショックで寝込んでるんだ。」

「あら、大変。でも、全てあなたが引き起こしたことよ。お母さんの心に開いた穴は、あなたが掘ったもの。私をシングルマザーにして、父親の顔を知らない子供にするのもあなた。」

「それは悪いと思ってる。」

「反省してるなら、言葉じゃなくてお金にして見せなさい。あと、あの女の実家の住所を教えて。」

「なんで?」

「大事なお手紙を送りたいからに決まってるでしょ?浮気して人の家庭を壊しておいて、無事で済むと思ったら大間違い。」

夫は「好きにしろ」と言った。彼は会社でも「タルタル不倫男」というあだ名を付けられ、退職に追い込まれていた。女子社員のあだ名のセンスに笑えたけど、彼の不幸はまだまだ始まったばかりだとマイクが言っていたのを思い出した。

「まだまだ不幸は続くと思うけど、頑張ってね。」

「どういう意味だよ。」

マイクが言ってたの。最近占いにハマってるみたいで。

翌日、マイクに連絡した。

「全部終わったよ。」

「そうか、そうか。でも、今後も地味なストレスは与え続けるけどね。」

「助かる。今週には実家に引っ越すことにしたの。鹿児島に。」

「いいね。じゃあ次は鹿児島にしよう。」

私は、彼らが地の底に落ちたのを見届けられたことが、心の底から良かったと思った。性格が悪いと思われてもいい。嫌いな奴には地獄に落ちてほしい。それが本音だった。

「マイクがいたから、ここまで来られた。本当にありがとう。マイクがいなかったら、泣き寝入りして後ろ向きなまま離婚してたと思う。」

「いいよ。鹿児島の美味しいお店を教えてくれたらOKだよ。」

「キビナゴを刺身で食べさせる店があるの。絶対食べて。」

「その前に出産頑張るよ。」

後日談として、これはマイクの話をまとめたものだ。

武人と義母は実家に戻り生活を始めたが、その直後からなぜか大量のカラスが庭に押し寄せるようになり、追い払っても追い払っても集まってくる。メンタル強めの黒い集団に占拠され、「カラス屋敷」として有名になったとか。マイクがカラスまで操るなんて、驚きでしかありませんね。

歩美は、キャバ嬢時代の仲間たちがこぞってSNSでバズりまくり、嫉妬に狂って裏アカウントでアンチコメントを大量に書き込んだ結果、民事で訴えられたそうだ。

武人と義母は、高額の慰謝料と養育費の支払いに追われ、歩美との間でも認知や支払いのトラブルで泥沼の裁判になり、3人とも破産寸前まで追い詰められているらしい。

一方、私は無事に鹿児島の実家に戻って、元気な女の子を出産した。マイクは約束通りキビナゴを食べに来て、鹿児島在住の仲間を連れて遊びに来てくれた。彼らは私の娘の最強のボディガード兼ベビーシッターとして、可愛がってくれている。

私は今、海と雄大な桜島を眺めながら、娘と一緒に最高に幸せな毎日を過ごしている。

マイク、本当にありがとう。

いつかずっと先になるかもしれないけど、娘が「幸せだった」と言えるように、私はこれからも頑張ります。

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