義母・美よ子さんの嫌がらせは、私が夫・誠を守ろうとすればするほど、エスカレートしていくばかりだった。彼女は私がカニ嫌いだと知ると、週末の夕飯には決まってカニのフルコースを用意し、「アレルギーくらい克服しなさい」と笑顔で迫ってくる。誠が大人になってから発症した、命に関わるほどの重度のカニアレルギーを知らないままに。
私は誠の命を守るため、彼の皿からカニをこっそりと自分のナプキンに包んで隠し、無理やり口に運ぶふりをしてやり過ごす日々。しかし、そんな私の姿を見て美よ子さんは満足そうに微笑むのだった。
美よ子さんの嫌がらせは止まることを知らず、今度は近所の人々に「あの嫁はだらしない」と嘘の噂を流し始めた。ご近所付き合いの輪から外され、冷たい視線を向けられるようになった私は、誠に心配をかけまいと必死に笑顔を作り続けた。だが、もう限界だった。
誠にすべてを打ち明けた夜、彼は怒りと悲しみで震えながら言った。「俺が守る。もう母さんの言いなりにはさせない」。
私たちは誠のアレルギー専門医である佐藤先生に相談し、診断書を用意して美よ子さんに真実を伝えることにした。しかし、頑固な美よ子さんは「そんなの嘘だ。甘やかしてはだめ」と聞く耳を持たない。ついに私たちは最後通告を突きつける。
「お母さん、反省と理解が深まらない限り、もう会うことはありません」。そう言い放った瞬間、美よ子さんの顔から血の気が引いていくのが分かった。


