離婚直後に女医と再婚した元夫「お前はもう用済みw」→10分後、義実家のブラックカードを全停止してやった結果…

第2部

    

高級車ディーラーのショールームで、達也たちはすでに勝ち誇っていた。三千万円を超える漆黒のスポーツカーの前で、れかが興奮した声を上げ、義母もふんぞり返って店長を呼びつける。

「この車、一番高いオプションを全部つけてちょうだい。支払いはこのブラックカードで一括で」

達也がドヤ顔でカードを提示した瞬間、店長の顔色が変わった。決済端末に通した結果、利用停止のエラーが出たのだ。

「はあ? これが何のカードか分かってんのか? 限度額なんて存在しないブラックカードだぞ!」

達也は怒り狂い、専用コンシェルジュに電話をかけた。しかしオペレーターの答えは冷徹だった。

「お客様の家族カードは、現在全ての利用が停止されております」

電話を切られた達也は、今度は父親に連絡した。だがスピーカーから聞こえてきたのは、怯えた父親の声だった。

「たつや、お前一体何をした? うちの会社も……我が家はもう終わりだ」

達也の顔から血の気が引く。それでも彼は「一時的なエラーだ」と高を括り、私の住む古びたアパートに乗り込んできた。

「おい、あけろ! いるのは分かってんだよ!」

土足のまま上がり込み、れかは鼻をつまんで部屋を見下す。

「うわ、カビ臭い。何この底辺丸出しの部屋。私の病院の個室の方がよっぽど清潔よ」

義母は私が詰めていた服をヒールで蹴り飛ばし、達也はゴミを見るような目で私を見下ろした。

「お前はもう家も金も家族もない、社会の最底辺のゴミなんだよ。もし今すぐ土下座して靴を舐めるなら、小銭くらい恵んでやってもいいぞ」

れかが千円札をヒラヒラと落とし、三人は腹を抱えて笑った。私は何も言わず、ただ沈黙を守った。今はまだ、泳がせておく時だ。

翌朝、大家まで味方につけられた私は、泥棒猫の濡れ衣を着せられてアパートを追い出された。雨の降る公園で、達也とれかがわざわざ追いかけてきた。ダンボールを蹴り飛ばし、母から譲り受けた唯一のハンカチを泥水に踏みつける。

「お前はもう社会のゴミなんだよ。これで骨の髄まで分かっただろう」

冷たい雨に打たれながら、私は静かに立ち上がり、二人を見つめた。拳を握りしめ、血が滲むのを感じながらも、一言も発さなかった。

その直後、黒い高級車が静かに横付けされた。黒スーツの男性が大きな傘を差し出し、深々と頭を下げる。

「お嬢様、お迎えに上がりました」

秘書の柴田だった。車内に乗り込むと、暖房の暖かさが冷たい雨の感触を消していく。柴田がタブレットを操作しながら報告する。

「お嬢様のご指示通り、お父上の会社との取引は全て即時打ち切りといたしました。登場グループの信用保証も完全に引き上げたため、ブラックカードは永遠に使えません。メインバンクも融資の引き上げに動き出しており、事実上の倒産状態です」

私は静かに頷いた。

「ご苦労様。これで彼らが私の力で作った砂の城は、全て崩れ去るわ」

私の本当の名前は登場明り。国内外に数百の関連企業を持つ巨大財閥・登場グループのたった一人の後継者だ。五年前、身分を隠して一般の会社で働いていた時に達也と出会い、彼の人柄を信じて結婚した。三年前、町工場が倒産の危機に瀕した時、私は密かに柴田に指示を出し、登場グループのネットワークを使って大口取引先を紹介した。達也が自慢していたブラックカードも、全て私のグループの信用保証があってこそ発行されたものだった。

彼らはその富を自分たちの実力だと勘違いし、私を「寄生虫」「貧乏神」と見下し続けた。半年間、私は全ての証拠を集めながら耐え続けていたのだ。

その夜、達也とれかは都内の超高級ホテルで盛大な再婚祝いのパーティーを開いていた。招待客はれかの病院関係者ばかり。費用は全てあのブラックカードで後払いするつもりだった。だがそのホテルは、登場グループの直営だった。

「本日のご飲食代並びに会場費、全て合わせて千二百万円でございます」

支配人が請求書を差し出した瞬間、達也はドヤ顔でカードを叩きつけた。しかし支配人は静かに首を横に振る。

「申し訳ございません。こちらのカードはすでに当ホテルでは無効となっております。さらに申し上げますと、お客様のご実家の会社は本日午後をもって事実上の倒産となりました」

会場が凍りついたその時、重厚な扉が開いた。最高級のドレスに着替えた私が、柴田と黒服のSPたちを従えて現れた。

「嘘ではありませんよ、達也さん」

達也は目を見開いたが、すぐにいつもの傲慢な笑に変えた。

「なんだそのドレス。レンタルか? 俺たちに未練があってストーカーみたいに追いかけてきたのかよ」

れかも高笑いする。だが私の後ろから、初老の男性がゆっくりと歩み出た。日本経済の頂点に君臨する登場グループ総帥、私の父・登場総一郎会長だった。

「よくもまあ、我が娘に向かってそこまで吠えたものだな」

会場の空気が完全に凍りついた。父は冷たく言い放つ。

「そこにいる明りは、私のたった一人の実の娘であり、本グループの次期総帥だ。お前たちがゴミだと見下し、使用人のように扱っていた女の、本当の姿だよ」

達也とれかの時間が止まった。柴田がさらに追い打ちをかける。

「あなたのご実家の工場が三年前から急成長したのは、全て明りお嬢様が裏で手を回した結果です。ブラックカードも同じ。お嬢様が離婚届を提出した瞬間、保証は全て引き上げられました」

達也は膝から崩れ落ちた。さらに柴田が分厚いファイルを投げ落とす。

「この半年間、あなたは実家の会社の資金を不正に操作し、総額五億円をれかさんの個人口座に送金していました。ダミー会社を経由したマネーロンダリングです」

れかはパニックになり、責任を押し付け合う。父がれかの父親である院長に告げる。

「あのダミー会社の連帯保証人として、貴様の病院の印鑑が押されている。五億円の返済義務は病院にもある」

院長は白目を向いて気絶した。その時、サイレンの音が響き、警察官たちが突入してきた。

「登場グループからの刑事告訴を受理している。五億円の業務上横領及び詐欺の容疑で、お前たち二人を逮捕する」

達也は手錠をかけられながら私にすがりついた。

「明り、俺が悪かった。土下座でも何でもする。だから告訴を取り下げてくれ」

私は静かに見下ろし、はっきりと告げた。

「あなたの靴を舐めるような軽い言葉で、五億円の罪が消えるわけないでしょう。刑務所の中で、自分がどれだけ愚かで価値のない人間か、一生かけて後悔しなさい。あなたはもう私にとって、完全に用済みよ」

達也の絶叫が虚しく響く中、二人は引きずられるように連行されていった。

半年後。達也は重い実刑判決を受け、冷たい牢の中で毎日を送っている。実家は自己破産し、義母は半額シールのお惣菜を漁る日々。れかは医師免許を剥奪され、ホストクラブの借金に追われて夜の店で働いている。

私は登場グループの副社長として、父の隣で忙しくも充実した日々を送っていた。幼馴染みであり、グループの専務でもある蒼太が、そっと私の手に自分の手を重ねる。

「明り、次のスケジュールの時間だよ」

「ええ。行きましょう、蒼太」

私は満面の笑みで答え、社長室の扉を自ら力強く押し開けた。偽りのない信頼と愛情に囲まれた、光に満ちた未来へと。