「お義母さん、清掃員が私の結婚式に出るなんて、ありえないんですけど」—義理の娘の手が私の頬を打った瞬間、会場が凍りついた。36年間、朝5時に起きて病院を磨き続けた手で育てた息子からも「母さんの仕事は恥ずかしいんだ」と言われた。医者になった息子は、清掃員の母を切り捨てようとした。でも、彼女は知らない。侮辱されたその日から、私は彼女の真実を調査し始めたことを。義理の娘の過去を調べた時、私は驚愕の…

「お義母さん、清掃員が私の結婚式に出るなんて、ありえないんですけど」—義理の娘の手が私の頬を打った瞬間、会場が凍りついた。36年間、朝5時に起きて病院を磨き続けた手で育てた息子からも「母さんの仕事は恥ずかしいんだ」と言われた。医者になった息子は、清掃員の母を切り捨てようとした。でも、彼女は知らない。侮辱されたその日から、私は彼女の真実を調査し始めたことを。義理の娘の過去を調べた時、私は驚愕の...

義理の娘の手が私の頬を打った瞬間、会場の空気が凍りついた。高級ホテルの結婚式場。息子の直樹と結婚したばかりの真理が、見下すような目で私を見ていた。私は病院で清掃員として働く山本洋子、62歳。今日は息子の晴れの日だと思って、精一杯おしゃれをして出席したのに。

「お義母さん、申し訳ないけど、今すぐ帰ってもらえますか?」

冷たい声が静まり返った会場に響く。直樹の声も聞こえた。

「母さん、今日はマリの大切な日なんだ。頼むから空気を読んでくれ」

私の頬はまだ熱を帯びていた。マリの手が私を打った時の感触が残っている。そのマリが小さく呟くのが聞こえた。

「清掃員なんて人が私の結婚式に出るなんて、ありえない」

私は何も言わず、黙って立ち上がった。36年間、朝の5時に起きて病院の床を磨き続けてきたこの手で、息子を医学部まで通わせた。その息子が、妻と一緒になって私を追い出そうとしている。親族たちの好奇の視線を背中に感じながら、私は会場を後にした。

式場の外に出ると、春の風が痛んだ頬を撫でていった。でも心の痛みは消えない。あの言葉が頭の中でぐるぐると回っている。清掃員だと、汚い仕事だと。思い返せば、マリと初めて会った時から違和感はあった。私の職業を聞いた途端、彼女の表情が曇ったのを覚えている。

「え?病院のお掃除?」

その声には明らかな軽蔑の色が含まれていた。私は決して恥ずかしい仕事だと思ったことはない。毎朝5時に起きて、患者さんが気持ちよく過ごせるように病院中を磨き上げる。月収は決して多くない。でもその収入で直樹を医学部に通わせることができた。夫を亡くしてから、女手一つで育ててきた。自分の服は10年同じものを着回してでも、息子の学費を捻出してきた。医学部は6年間で3000万円以上かかった。奨学金を借りても足りない分は全て私が稼いだ。休日も深夜の清掃の仕事も掛け持ちして、手が荒れて血が滲んでも、腰が痛くて立っているのが辛くても、息子の夢のためだと頑張れた。病院の廊下を磨きながら、いつか息子がここで白衣を着て歩く姿を想像していた。

「母さんのおかげで医者になれた。一生恩を忘れない」

卒業式の日、直樹は涙を流してそう言った。あの涙は本物だと信じていたのに。

数日後、直樹と真理が家にやってきた。

「マリの実家は医者の家柄なんだ。だから、母さんの仕事のことは、あまり大きな声で言わない方がいいと思う」

電話でそう言われた時も信じられなかった。

「私の仕事が恥ずかしいの?」

長い沈黙の後、帰ってきた答えは残酷だった。

「正直に言うと、そうだよ。医者になった今、清掃員の母親がいるって周りに知られたくないんだ」

電話を切った後、私は崩れるように床に座り込んだ。そして、彼らが直接家に来てこう言った。

「今後、マリの親族が集まる場には来ないで欲しい」

「お義母さん、はっきり言いますね。あなたの存在が私たちの社会的立場を脅かすんです。清掃員の母親がいるなんて知られたら直樹の出世にも響くかもしれない。私の父は大学病院の委員長で、親戚には政治家もいるんです。そんな家に清掃員の親族がいるなんて、恥ずかしすぎます」

「直樹、本当にそれでいいの?あなたを医学部に入れるために私がどれだけ……」

「母さん、過去のことを持ち出されても困るんだ。それは母さんが勝手にやったことでしょ。俺は頼んでない」

その言葉は刃物のように鋭く私の心を切り裂いた。そしてマリは最後にこう言った。

「それと、孫ができてもあまり合わせたくないので、その点もご理解くださいね。汚い手で私の子供に触って欲しくないんです。教育上良くないでしょうし」

直樹は何も言わなかった。ただ黙っているだけだった。

「直樹、最後に一つだけ聞かせて。私のこと、本当に母親だと思ってる?」

息子は顔を上げることなく、小さな声で答えた。

「血は繋がってるけど……価値観が違いすぎるんだよ、母さん」

その瞬間、何かが私の中で千切れる音がした。でも私は何も言わずに二人を見送った。ただ心の中で固く決意していた。必ずこの屈辱を晴らす時が来ると。

それから一週間後、職場で同僚の佐藤さんから意外な情報を聞いた。

「美咲さん、息子さん結婚されたんですってね。お嫁さん、確か真理さんっていう方でしょう」

「ご存知なんですか?」

「実は以前、うちの病院にいたことがあるみたいなんです。でもすぐにやめちゃったらしくて」

何か問題があったのかもしれないと、佐藤さんは言いにくそうにしていた。私は院内のベテラン職員、田中さんを尋ねた。田中さんは声を潜めて教えてくれた。

「3年前、うちの病院で医療事務として働いてたんですよ。でも半年も経たないうちに急にやめてね。表向きは一身上の都合ってことになってるけど、実はお金の管理で問題があったみたいなの」

「給料ですか?」

「そこまでは分からないけど、患者さんからの支払いで不明瞭な点がいくつかあったらしくて。それにね、経歴にも嘘があったって聞いたわ。医療系の資格を持ってるって言ってたけど、実際は何も持ってなかったらしいの」

「でも、お父さんが大学病院の委員長だって……」

「それも怪しいわね。少なくともこの地域の大学病院に、山本という委員長はいないはずよ」

帰り道、私の頭は混乱していた。そしてその夜、私は真理について調べることにした。彼女が言っていた父親の勤務先を調べても、そんな人物は見つからない。県内だけでなく全国に範囲を広げても該当する人物はいなかった。彼女の旧姓で検索すると、3年前の小さな記事が目に留まった。「医療事務職員の不正疑惑、示談で解決」。名前は伏せられていたが、時期と場所が一致する。

翌日、私は病院の人事課にいる知り合いに頼み込んだ。息子の将来がかかっていると必死に懇願して、真理の在籍記録を見せてもらった。そこには驚くべき事実が記されていた。履歴書には某有名大学看護学部卒業と書かれていたが、赤いペンで「虚偽記載」と書き込まれていた。実際は通信制の専門学校を中退していた。退職理由の欄には「金銭トラブルにより合意退職」とあり、示談金を払って刑事告訴は免れたらしい。さらに、他の病院でも同じような問題を起こしていることが判明した。リストには3つの医療機関の名前が並んでいた。全て1年未満で退職していた。

私は調査をさらに進めた。探偵事務所の知人に頼んで調べてもらうと、とんでもない事実が判明した。真理の父親は大学病院の委員長どころか、小さな鉄工場で働く普通のサラリーマンだった。しかも2年前にリストラされ、現在は無職。母親はスーパーのレジ打ちのパート。つまり真理は自分の家柄を完全に偽っていたのだ。そんな人物が清掃員の私を見下し、汚い仕事だと言っていた。あまりにも皮肉すぎる。

調査を初めて2週間が経った頃、私の元に一本の電話がかかってきた。

「山本洋子さんですか?私、新進区の者ですが……実は真理さんが融資の申し込みに来られた際、保証人としてあなたの名前を勝手に使っていたようなんです」

私はそれが信用金庫からの電話だと知って、すぐに窓口へ向かった。担当者が見せてくれた書類には、確かに私の名前が保証人として記載されている。でもその署名は明らかに私のものではなかった。融資額は500万円。他にも複数の金融機関で同様の手口を使っているようだった。真理は単なる見栄っ張りではなく、犯罪すれすれの行為を繰り返している人物だった。

彼女の元同僚からの証言も得られた。

「最初は医師免許を持ってるって言ってたんですよ。でも医学部にすら入ってない。看護師も医療事務の資格も全部嘘でした。患者さんへの医療指導をしようとして、薬の名前すら正確に言えなかった。院内の薬品を持ち出そうとしたこともあったんです。高額な薬を転売するつもりだったみたいで」

警察沙汰にはならなかったのかと聞くと、病院の評判を考えて内々に処理したらしい。でも医療業界では要注意人物として知られているとのこと。被害者は合計で7名、被害総額は3000万円を超えていた。すべての証拠と証言を手に入れた私は、ある決意を固めた。この真実を最も効果的な場所で、最も効果的なタイミングで明かそうと。そして、私の腦裏に浮かんだのは、来月に予定されている親族での食事会だった。真理の親族も全員集まる。まさに絶好の機会だった。清掃員を侮辱した彼女に、真実という最高の仕返しをしてやる。私の心は静かに燃えていた。

親族の食事会の日がやってきた。高級ホテルの個室には両家の親族が集まっている。真理はいつものように上品ぶった顔を浮かべていた。私は給仕係りとして会場に紛れ込んでいた。真理の両親と称する人物も来ている。立派なスーツを着た男性と、ブランド物で身を固めた女性。でも私は知っている。あの二人は真理が雇った役者だということを。

「私の父は、某大学病院の委員長をしております」

真理が親族に説明している声が聞こえる。

「医者の家柄で育ちましたから、医療には詳しいんです。私自身も医師免許を持っていますし」

その嘘を聞きながら、私は静かに準備を進めた。手元には2ヶ月かけて集めた証拠の山がある。宴会が始まって30分ほど経った頃、私は給仕係の扮装を脱ぎ、本来の姿で会場に入った。

「お久しぶりです、皆様」

突然の私の登場に、直樹と真理の顔が青ざめる。

「母さん、どうしてここに?」

「息子の晴れの場ですもの。母親として、大切なお話があります」

真理が立ち上がろうとしたが、私は手で制した。

「真理さん、慌てなくて大丈夫よ。今日はあなたの素晴らしい経歴について、皆様に真実をお話ししようと思って」

私は用意してきた分厚いファイルを取り出した。

「真理さんはご自身を医者の家柄だとおっしゃっていますね。でも、これを見てください」

私は真理の父親の本当の雇用歴を示す書類を掲げた。高橋正雄さん。2年前に鉄工場をリストラされて現在は無職、ギャンブルで作った借金が500万円。

「嘘よ!それは違う人よ!」

真理が叫ぶ。

「嘘じゃありません。これが住民票と借金の取り立て状のコピーです」

さらに母親の情報も渡した。スーパーマーケットでレジ係り、時給950円のパートで夫の借金返済に追われている。私はスーパーの従業員名簿のコピーも見せた。真理の顔が真っ赤になり、そして真っ青になった。

「それだけじゃありません。真理さん、あなた医師免許を持っているとおっしゃいましたね。某大学看護学部卒業とも。でも、大学に確認したところ在籍記録すらありませんでした」

大学からの正式な回答を掲げると、親族たちがどよめき始めた。直樹も信じられないという表情で真理を見つめている。

「実際は高校中退。その後、通信制の専門学校に入りましたが、それも学費を滞納して中退しています」

「お願いだからやめて!」

真理が泣き崩れそうになるが、私は続けた。

「さらに、当病院での横領疑惑。患者さんの支払い金30万円を着服し、示談金50万円を支払って解決しています。これは立派な犯罪です」

「母さん、何を言ってるんだ?証拠もないのに!」

直樹が怒鳴るが、私は冷静に答えた。

「全部証拠があります、直樹。これが示談書のコピーです」

次々と証拠書類を提示していく。金融機関での保証人偽造、他の病院での薬品窃盗、虚偽の経歴での就職詐欺。

「こちらは某聖マリア病院での勤務記録です。医療事務として入職しましたが、3ヶ月で薬品の不正持ち出しが発覚。続いて某クリニックでは、患者情報を不正に持ち出し、名簿業者に売却しようとした疑いがあります」

一つの証拠に、日付、場所、関係者の証言が添えられている。

「真理さん、私の名前を勝手に使って500万円の融資を受けようとしましたね」

信用金庫の書類を見せると、会場は騒然となった。

「これは詐欺じゃないか!」

親族の一人が叫ぶ。

「そうです。真理さんは詐欺師なんです」

私は真理が雇った偽の両親を指差した。

「あの二人も役者です。某劇団所属の役者で、1日5万円で雇われています」

私が役者の身分証明書のコピーを見せると、偽の両親は慌てて会場から逃げ出していった。

「清掃員を侮辱し、汚い仕事だと蔑んだ真理さん。私は真理さんをまっすぐ見つめた。でも、あなたこそ嘘と偽りで塗り固めた、最も汚い人間じゃないですか」

真理は床に崩れ落ちた。泣きながら何か言い訳をしようとしているが、もう誰も聞いていない。

「これが被害者の方々からの証言です」

私は7人分の被害報告書を読み上げ始めた。看護師のAさんは偽の投資話で100万円を騙し取られた。会社員のBさんは存在しない医療機器の購入で150万円。主婦のCさんは偽の健康食品を高額で売り付けられた。医師のDさんは架空の事業への投資で300万円。薬剤師のEさんは偽造した資格証明書で講演料を騙し取られた。合計被害額は3000万円以上。被害届も提出され、現在警察が捜査中だ。

直樹がよろめきながら立ち上がった。

「母さん、これ全部本当なの?」

「全て本当よ。あなたが清掃員の母親を切り捨てようとした時から、私は調査を始めたの」

私は息子を見つめた。

「36年間、朝5時から病院を磨き続けてきた私。その手であなたを医者まで育て上げた私。その私を清掃員と侮辱した真理さん。でも彼女の本当の姿はどうでしょう?嘘で塗り固めた経歴、犯罪紛いの行為の数々。どちらが恥ずかしい存在か、今なら分かるでしょう」

直樹は言葉を失って立ち尽くしていた。

「『私の子供に触らないで』と言いましたね、真理さん。でも、本当に汚れていたのはあなたの心と、その嘘まみれの人生だったんじゃないですか。詐欺師が私の息子の妻になるなんて、許されると思いますか?」

会場は完全に静まり返った。真理は泣きじゃくりながら何度も「違う、違う」と繰り返していたが、証拠の前には無力だった。

親族の一人が口を開いた。

「洋子さん、よく調べてくださいました。危うく我が家も巻き込まれるところでした。本当にありがとうございます。清掃員として働きながら、これだけの調査をされたなんて。洋子さんこそ本当に立派な方です」

次々と参加者たちから感謝と称賛の言葉が寄せられる。直樹が私の前に膝をついた。

「母さん、俺はなんて愚かだったんだ。清掃員の母親を恥じるなんて。俺こそ最低の人間だった。母さんの仕事があったから、俺は医者になれたのに」

涙を流す息子を見て、私の心も少し柔らぎた。

「直樹、仕事に貴賤なんてないのよ。誠実に生きることが一番大切なの。それを忘れないで」

あれから3ヶ月が経った。真理は詐欺罪で起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けたと聞いている。被害者への返済のため、今は昼夜とわず働いているそうだ。皮肉なものだ。人を職業で差別していた彼女が、今では清掃の仕事もしているというのだから。直樹はあれから毎日のように謝罪の電話をかけてきた。

「母さん、本当にごめん。俺がどれだけ愚かだったか、今なら分かるよ」

最初は許せなかった。でも、息子の心からの反省を見て、少しずつ心が動き始めた。

「直樹、あなたは医者として、これからどう生きていくつもりなの?」

「患者さんのために誠実に働くよ。そして、どんな仕事をしている人も尊重する。清掃員の方がいなければ病院は成り立たない。それが分かったんだ」

直樹の言葉に嘘はないように感じた。ある日、私の職場に直樹がやってきた。白衣姿の息子が、清掃員の休憩室に入ってきたのだ。

「皆さん、息子の山本直樹です」

直樹は私の同僚たちに深々と頭を下げた。

「母がお世話になっています。そして皆さんのお仕事に心から感謝しています。病院を清潔に保ってくださることで、患者さんの命が守られています」

同僚たちは驚いていたが、やがて温かい笑顔を見せてくれた。その後、直樹は病院内で清掃員への感謝キャンペーンを始めた。医師や看護師たちに清掃の重要性を説いて回った。直樹の活動は少しずつ病院全体に広がっていった。そして先日、病院の理事長から表彰を受けた。清掃員として36年間の功績が認められたのだ。表彰式には直樹も駆けつけてくれた。

「母さん、おめでとう。俺は母さんの息子で、本当に誇らしいよ」

やっと本当の親子の絆が戻ってきた気がする。そして昨日、直樹から報告があった。

「母さん、俺、新しい人と付き合い始めたんだ」

「今度はちゃんとした人なの?」

「うん。看護師の子なんだけど、とても誠実で優しい人だよ。何より母さんの仕事を心から尊敬してくれてる」

私は少しほっとした。

「今度、一緒に会ってくれる?」

「もちろんよ。でも、今度は最初から本当のことを話しなさい」

「分かってる。母さんが清掃員だってことも、俺の誇りだってことも、全部話してあるよ」

電話を切った後、私は窓の外を見つめた。春の日差しが優しく町を照らしている。思えば、あの屈辱的な出来事があったからこそ、今の幸せがあるのかもしれない。真理という人物との出会いは確かに辛いものだった。でも、それによって直樹は大切なことを学んだ。人を職業で判断してはいけないこと、誠実に生きることの大切さ、そして母親への感謝の気持ち。私自身も改めて自分の仕事への誇りを確認できた。清掃員という仕事は決して恥ずかしいものではない。むしろ社会になくてはならない仕事なんだと。

最近、若い清掃員が入ってきた。彼女はこの仕事を恥ずかしがっている様子だった。

「山本さん、私、友達に仕事のこと言えなくて」

私は優しく彼女の肩に手を置いた。

「大丈夫。胸を張って言いなさい。私たちは人々の健康と命を守る仕事をしているのよ。病院が清潔でなければ、どんな名医も力を発揮できない。私たちは医療チームの大切な一員なの」

彼女の目が少しずつ輝き始めた。

「はい。山本さん、私この仕事を誇りに思えるよう頑張ります」

若い世代にこの仕事の素晴らしさを伝えていく。それも私の新しい使命だと感じている。人生は不思議なものだ。最も辛い経験が、最も大切な教訓をもたらしてくれることがある。清掃員を侮辱した真理さん。彼女は今、自分が見下していた仕事をしながら、後悔の日々を送っている。一方、清掃員として誇りを持ち続けた私は、息子との絆を取り戻し、職場でも認められるようになった。これが因果応報というものだろうか。正直に誠実に生きていれば、必ず報われる時が来る。私はそう信じている。明日の朝5時に起きて、病院へ向かう。患者さんが気持ちよく過ごせるように、医療スタッフが最高の仕事ができるように。私は清掃員、山本洋子として、これからも誇りを持って働き続ける。

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