「お前とは離婚します。本気だから」――酔った夫から届いたLINEは、浮気の自白だった。マッチングアプリで知り合った27歳のユイちゃんとハワイ旅行に行くと言い放った夫に、「後悔するわよ」と返した私。すると義母が提案したのは「私が事故にあったことにして、帰ってこさせましょう」という衝撃の計画。まさか翌日には「明後日はあなたの両親の葬儀よ」と伝えることになるなんて。ハワイで遊んでいた夫が本気で青ざ…

「お前とは離婚します。本気だから」――酔った夫から届いたLINEは、浮気の自白だった。マッチングアプリで知り合った27歳のユイちゃんとハワイ旅行に行くと言い放った夫に、「後悔するわよ」と返した私。すると義母が提案したのは「私が事故にあったことにして、帰ってこさせましょう」という衝撃の計画。まさか翌日には「明後日はあなたの両親の葬儀よ」と伝えることになるなんて。ハワイで遊んでいた夫が本気で青ざ...

「お前とは離婚します。本気だから」

酔った夫のLINEに、そう書いてあった。

しかも続けて、こうも送ってきた。「マッチングアプリで知り合ったユイちゃんと付き合ってる。今日はホテルに泊まるから」

翌朝、夫はけろっとした顔で言った。「昨日は会社の奴らと飲んでてさ。LINEの履歴?あれは冗談だよ」

でも、私は彼とのツーショット写真も見せられていた。それでも夫は言い張った。「AI加工だ。今の時代、何でもできるから怖いよな」

私はもう限界だった。「酔ったら本音が出るタイプでしょ。全部本心なんだよね?」

すると夫は開き直った。「ああ、そうだよ。お前より若くてナイスバディな女だ。お前は負けたんだよ」

その瞬間、私は決めた。両親は言っていた。「正しく生きていれば必ず報われる。悪どい人間が幸せになることはない」と。私はそれを証明してみせる。

「慰謝料は2人で300万が相場らしいよ。そのくらいで幸せになれるなら払ってやる」と夫は余裕綽々だった。

私は義母に電話した。「お母さん、聞いてください。カヤが浮気してて、しかもその相手とハワイ旅行に行くんです」

義母は怒りを通り越して、逆に笑い出した。「串焼きにしてやりましょう」
「竹串じゃ刺さらないですよね」
「じゃあ丸焼きよ」

冗談ばかり言っている場合じゃない。ハワイ旅行を阻止したい、と私が言うと、義母は意外な提案をした。

「やっぱり行かせましょう。金をドブに捨てさせるのよ。私が事故にでもあったことにすればいい」

そんな不謹慎な嘘はつきたくない、と私が断っても、義母は止まらない。「両手両足と頭蓋骨骨折くらいの設定にしましょう。生きてる方が不思議じゃないわ。それで帰ってこなかったら親子の縁を切るわ」

まさか、その嘘がここまで大きな計画になるなんて、その時は知らなかった。

ハワイ旅行当日、夫は得意げにLINEを送ってきた。「愛人とハワイ旅行最高。来週には帰るから、それまで家のこと頼んだぞ」

私は返信した。「今すぐ帰ってきて」
「ふざけんな。今日着いたばかりだぞ」
「後悔するわよ」
「死ねえわ」

次の言葉を送る時、私は少しだけ震えていた。

「明後日はあなたの両親の葬儀よ」

夫は最初、笑った。「何言ってんの?嘘つくならもっとマシなこと言えよ」

「こんな嘘、つきたいわけないでしょ。あんたの浮気の件も、お母さんに全部相談してたの。そしたらお母さんが、私が事故にでもあったことにしましょうって冗談を言ってて。私はそんな不謹慎な嘘は良くないって止めたのに……本当に事故に遭っちゃうなんて」

「嘘だろ……」

「お通夜は明日、葬儀は明後日よ。息子は一人しかいないんだから、戻ってきて」

夫はパニックになった。「仕事って言っとけ」
「仕事を理由に葬儀に出ない息子なんていないわ」

さらに義父の兄、清司さんがこの件で激怒していると伝えると、夫の顔色は一瞬で変わった。義父が唯一恐れている人物、そして夫の会社での後継ぎを決める権限を持つ人物だったからだ。

数時間後、夫は泣きそうな声で電話をかけてきた。「おじさんから電話があった。すぐ戻れって。今度は仕事の都合だってごまかしてあるけど、急がないと……」

17時間後、夫は空港に着いた。私は言った。「本気で帰ってきたんだね」

夫は葬儀場の場所を聞いて、車で向かった。しかし40分後、夫から悲痛な叫びが届いた。

「無理、無理、無理。葬儀場に着いたら、父さんと母さんが駐車場に立ってて、こっちを見てたんだよ。2人とも白い顔して、恨めしそうに睨んでた。漏らしちゃったよ……」

「そんなわけないでしょ」
「本当なんだって!霊を見たんだ!」

夫は家に戻り、着替えると言った。しかし、数分後、また叫んだ。「インターフォンに父さんと母さんが映ってる!怖すぎてここから出られない。迎えに来てよ!」

「こっちは準備で忙しいの。お化けなんているわけないでしょ。1時間以内に来なさいよ」

実は、その頃私は義母と一緒に笑いをこらえながらLINEをやり取りしていた。義母は言った。「あの人はノリがいいし、楽しい人なんだから」

私も思わず笑った。「あんなに悲しかったのに、笑ってる自分が不思議です」
「それでいいのよ。笑えるうちはまだ元気な証拠。あんな人のために涙を流すのはもったいないじゃない」

ところが、このドッキリはまだ終わっていなかった。

1時間後、夫が葬儀場に到着した。しかし、会場には誰もいない。係の人に聞くと、今日は葬儀の予定はないと言う。夫は混乱した。「もしかしてパラレルワールドに迷い込んだのか?」

義母は次の手を打っていた。2段階目のドッキリだ。夫はまんまと信じ込んでいた。

そしてついに、義父と清司さんが夫に真実を告げた。浮気も、事故も、葬儀も、すべてが嘘だったのだ。

夫は怒り狂った。「ふざけんな!こんな不謹慎な嘘ついて許されると思ってんのか!」

しかし、清司さんは静かに言った。「お前が浮気したことは全部知ってた。そして、お前が会社の後継ぎにふさわしくないこともな」

夫は会社に入れないだけでなく、住んでいたタワマンも義父の名義だから出て行けと言われた。彼女との再婚も義母に「絶対に認めない」と拒否された。

「分かった。じゃあ再婚は諦める。マナとこのまま一緒にいるよ」
「あっさり手のひらを返すのね。その程度の気持ちで浮気してたの?」
「そりゃ将来の方が大事だし」

夫は私に謝ってきた。「全部なかったことにしてくれ。謝るから。許してくれ」

「じゃあ許さない。本当にキモい。消えてほしい」
「本気で言ってんのか?」
「うん。LINEで謝る時点で終わってる。お前だけは絶対に許さない」

夫は逆上した。「お前が許すと言えば全部丸く収まるのに」
「あんたにとってだけでしょ。俺にはもう失うものなんかない」
「自業自得だよね」
「うるせえ!俺はお前に親を奪われたようなもんだ。同じ目に合わせてやる!」

夫は夜中に北海道の私の実家へ向かった。ところが、そこに両親はいなかった。

私からの返信はこうだった。「ごめん。今ちょっと忙しいんだよね。ハワイにいるの。今からご飯食べに行くんだ」
「誰と?」
「あなたのご両親と清司さん」

夫は絶句した。義母は、夫が楽しめなかったハワイを満喫しようと言ってくれたのだ。しかも、夫が酔って浮気を自白した次の日から、この計画のために動いていたらしい。

さらに清司さんからは、こう伝えられた。「あんたの大事なユイちゃんを、ハワイの探偵事務所に依頼して調べさせてもらった。現地で知り合った男とラブラブみたいだぞ」

夫が旅費を出して浮気相手をハワイに連れて行ったのに、そのユイは現地で別の男に浮気されていた。夫は泣きそうだった。「嘘だ……俺が出した旅費で浮気してやがるのかよ」

私は言った。「浮気したやつが浮気相手に浮気されるとか、草」
「ここまでやるのかよ。やりすぎだろ」
「あなたが彼らからいいところを一つも学べなかったのは、自分の責任よ」

そして、夫は最後に言った。「やり直そう。反省するから。本当にマナが大事だって気づいたんだ」

「ユイちゃんが他の男に取られたからって、復縁要請しないでくれる?無理だから」

そう言って電話を切った後、夫からまたLINEが来た。「お父さんとお母さん、やっぱり家にいたみたいだな。今、家の裏手から出てきた」

「うちの両親はハワイにいるから、あんたの家の裏になんか誰もいないよ。そこには山しかないから」

「怖すぎてまた漏らした」

その後、夫は濡れたズボンのまま最寄り駅まで走り、近くのホテルにチェックインして、朝まで震えながら過ごしたらしい。

私はハワイで、別の男と仲良くしていたユイに挨拶がてら話しかけ、こう伝えた。「帰国したら慰謝料請求の件で話があるから」

最初はごねていたが、ハワイで捕まえた彼氏にバレたくなかったのか、素直に応じた。ちなみに、ユイに近づいたお金持ち風の男は、清司さんが仕込んだ現地の友人で、普通の人だ。帰国後、2人合わせて400万の慰謝料を請求した。カヤは一括で支払った。ユイは新しい彼氏が払ってくれると思っていたが、帰国後一切連絡が取れず、結局分割払いに変わった。

カヤは元いた会社で地道に働いているそうだ。しかし「俺は将来社長になる」と自慢しまくっていた噂が広まり、その道が閉ざされたことで、片身の狭い思いをしているという。毎晩うなされたり、悲鳴を上げたりして、毎週お祓いに通っているせいか、すっかり痩せてしまったらしい。

ハワイでの時間や、夫へのドッキリは、辛いことを忘れさせてくれた。私が新たに前に進むための大切なきっかけになったのは、間違いない。

義母とは今後も友人として仲良くしていくつもりだ。

ただ、一つだけ気になることがある。あの時、夫の実家の裏にいた「2人」は、一体本当に誰だったのだろうか。考えると怖いので、さっさと忘れたいと思う。

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