夫が酔って帰ってきて、開口一番「お前とは離婚する。本気だからな」と言った。驚いて理由を問いただすと、「マッチングアプリで知り合った27歳のゆいちゃんとハワイに行く」と、平然と浮気を認めた。新婚旅行だって国内にしたのに、浮気相手にはハワイだなんて。悔しくて涙が止まらなかった。でも、翌日、私は彼を地獄に突き落とす計画を思いついた。仕掛けた「両親の葬儀」という嘘に、彼はまんまと引っかかった。自慢の…
夫が酔っ払って帰ってきたのは、深夜のことで、私はまだ起きていた。 「お前とは離婚する。本気だからな」 リビングに入るなり、彼はそんなことを言った。酔っていることはすぐにわかった。私はため息をついて、冷たいお茶をコップに注いだ。 「何酔ってるの?」 「彼女と決着をつけてきたんだよ」 「彼女? 浮気してるの?」 「ああ、めっちゃしてる」 彼は笑いながら、マッチングアプリで知り合ったという「ゆいちゃん」の話を始めた。二十七歳で、付き合って半年になるところだと言う。今日はホテルに泊まると言い、私は怒った。 「ふざけんな」 「怒らないでよ。僕ちん、早く帰ってこいよ、なんて言われたら、やっぱ行くしかないだろ」 「じゃあね」 彼はそう言い残して、また出ていった。 翌朝、彼は頭が痛いと言いながら実家に帰っていた。私は彼にLINEの履歴を見るように言った。昨夜の酔った勢いのメッセージが、そこには残っていた。 「これは俺じゃない」 彼は言い張った。 「会社の人のいたずらだろ。AIで何でもできるから怖いよな」 私は彼に写真を見せた。彼が女性と二人で写っている写真が、送られてきていた。 「加工だな」 「そうやって言い訳するんだ? 酔ったら本音が出るタイプだもんね。昨日の言葉は全部本心なんでしょ?」 「覚えてない」 「嘘つかないで。正直に言ってよ」 「ああ、そうだよ。だったらなんだよ。お前より若くてナイスバディの女なんだよ。お前は負けたんだ」 彼は開き直った。私は、勝ち負けは試合が終わるまでわからない、と言った。 「私は両親に、正しく生きていれば必ず報われると教えられて生きてきた」 「それが何だよ」 「悪どい人間が幸せになることはないとも言われた。それを証明してみせる」 「あそ。じゃあ頑張って覚悟しなさい。慰謝料だろ? 相場じゃ二人で三百万くらいらしい。そのくらいで今後の幸せが得られるなら払ってやるよ」 「では遠慮なくいただきます」 そう言って、私は彼に話を続けた。 「来週からの出張だけど、あれ嘘なんでしょ?」 「浮気旅行だよ。驚くなよ。ハワイ旅行だ」 「私との新婚旅行でさえ国内にしたくせに、随分と奮発するのね」 「当たり前だろ。お前は国内で十分だが、彼女はハワイレベルってこと」 彼は煽ってくる。私は実家の母に電話をした。 「お母さん、聞いてください。かやがめっちゃ浮気してるんです」 「は? しかもその相手とハワイ旅行に行くんですよ。ひどくないですか?」 「串焼きにしてやりましょう」 「竹串じゃ刺さらないですよね」 「じゃあ丸焼きよ」 「私なんか国内旅行で十分だって言うんです」 「私だって母さん行きたかったの? 許せない。海に沈めてやりましょう」 「海が汚れます」 「じゃあ山ね」 「土壌汚染が心配です」 「だったら木に吊るすわ」 「それでお願いします」 冗談を言っている場合じゃない。私はハワイ旅行を阻止したいと母に話した。 「やっぱり行かせましょう。金をドブに捨てさせるのよ。私が事故にでもあったことにすればいいじゃない」 「そんな不謹慎な嘘、つきたくありません」 「本人がいいと言ってるんだからいいのよ。両手両足と頭蓋骨折くらいの設定にしましょう」 「生きてる方が不思議じゃないですか」 「それで帰ってこなかったら親子の縁を切るわ。そんな嘘が通用しますかね」 母は楽しそうだった。 ハワイ旅行当日、彼は愛人と最高だと投稿してきた。私はこう返信した。 「今すぐ帰ってきて」 … Read more